みなさまこんにちは。今回は「苦悩脱出の参考書」解説第一回です。わかりやすくて、簡単に実践できる内容になってます!どうぞ最後までお付き合いください〜。
苦悩脱出とは
苦悩脱出とは、自分特有の悩みの構造を知り、そこから適切に抜け出すことを言います。
ここでいう悩みの構造は、大別して二つあります。それは
歪んだ物の見方決定
不適切な行動選択
になります。
今回は、歪んだ物の見方決定について説明します。実際に僕が受験直前期にしていた体験を、具体例として説明しますね。赤裸々過ぎてお恥ずかしいですが・・・!
《不安・焦り》歪んだ物の見方決定
受験直前期に、僕がよく体験した歪んだ物の見方決定(今後、「ゆが見」と呼びます)は、「自分は司法試験に合格しないのではないか」という不安・焦りです。
一例として、勉強をしていると、基本的事項についての知識を忘れていたことに気づきます。
すると、
「こんな基本的なことすら忘れているなんて・・・」と、忘れていたという事実で、頭の中がいっぱいになります。(ネガテイブの過大視)
これと並行して、以前の答練の結果が振るわなかったこと等、関連する悪いことをたくさん思い出してしまいます。(視野狭窄・失敗の思い出し)
すると、「自分はダメな人間だ」「試験には受からない」と、決めつけ、不安・焦りを感じるわけです。(歪んだ見方決定)
以上の思考フローを可視化した図が、上の画像です。
自動思考とは
以上のゆが見ですが、これは、僕の脳の自動思考によって生み出されたフローです。
自動思考1)自動思考とその内容については、心理学、精神医学、特に認知行動療法の知識を元に、理解や実用の簡素化のために独自の定義解釈をした上で説明をしています。そのため、これらの学説とは必ずしも定義や内容が一致しません。ご了承ください。とは、上の表におけるネガテイブの過大視とか、失敗の思い出しを指します。
自動思考とは、
❶頭に浮かんできた一方的な思考を間に受け、
❷思考枠組みを用いずに、すぐに結論に飛びつこうとする
思考をいいます。
自動思考をすると、ゆが見をして、気分が下がることがあります。
また、ゆが見に基づき不適切な行動をして、自己嫌悪に陥ったり、結果に落ち込むことになることが多いです。上記の図の例では、気分が下がった結果、現実逃避(僕はネットサーフィンや漫画を読み耽ることが多かったです。恥ずかしながら・・・)という不適切な行動をしてしまうことになります。すると、勉強時間が減ってしまい、余計に落ち込むわけです。
自動思考に対して、正しい思考とは、
①浮かんできた一方的な思考に加えて、他の情報、考えを収集し、
②それらの情報を適切に整理しようとする(例えば、ありうる見方の全てについて、何パーセントの確率で正しいか等を検討します。その後、自分がどのような見方をするのが適切かを決定します。)
思考をいいます。
自動思考の対処法
では、自動思考から正しい思考に変える対処法を説明しますね。
自動思考は実に様々なパターンがあります。本サイトでは、
判断過程の自動思考について、
①ネガテイブの過大視
②失敗の思い出し
③全か無か思考
結論に飛び込む自動思考について、
④心の読みすぎ
⑤自分への関連付け
⑥破局的思考
の6つについて、後ほど説明をします。
それぞれに、適切な対処法があります。
まずは総論的に、自動思考を正しい思考に変えるための方法を話します。それは、
頭に浮かぶ理由・結論と、反対の結論を導く理由を考える
ことです。
上記の僕の例では、
「基本的な事項に忘れていることに気づけた。ここで覚えることができるぞ。良いことだ!」(ネガテイブの過大視対策)
「自分は大学院での成績は悪くなかった。大学も、大学院も無事に卒業できた。」(失敗の思い出し対策)
と、逆の思考をすることになります。
これを示したのが上の図の赤字部分です。
正しい思考により、適切な見方決定(ここでは、「自分は適切に頑張っている」「受かる可能性は十分にあるぞ」)ができれば、無駄に気分を下げることはなくなります。
また、気分をフラットに保つことで、常に適切な行動がとれるようになるのです。
僕は繊細な性格なので、受験期に落ち込みかける事は多くありました。ですが、その都度、上記のような苦悩脱出表を作り、見返すことで、苦悩を乗り越えることができました。
苦悩分析表の使い方
自動思考は、人に話したり、紙に書き出したりして距離を置かないと、いつまでも頭の中に留まりがちです。そんな時は、
①自動思考を全て紙に書き出して、表にしてみてください!
②その後、一つ一つの自動思考に対し、反対の結論、理由を、自分が納得するまで書いてみましょう。
③最後に、「苦悩脱出表」にまとめて、持ち歩いてください。同じ悩みが頭に浮かんだら、読み返しましょう。
とっても簡単で、しかも効果絶大なので、ぜひ悩んだ時は使ってみてくださいね〜。今回はここまでです。
次回は、上で出てきた図、「苦悩脱出表」の作り方、使い方、図を使うメリットについてより詳細に説明をしていきます。お楽しみに!
References
1. | ↑ | 自動思考とその内容については、心理学、精神医学、特に認知行動療法の知識を元に、理解や実用の簡素化のために独自の定義解釈をした上で説明をしています。そのため、これらの学説とは必ずしも定義や内容が一致しません。ご了承ください。 |